• 9/16 GUIDE RUNNER

    さかのぼること25年前、トライアスロンと出会う前は、根っからの長距離ランナーでした。東海大学在学中には、陸上部の長距離パートに所属し、箱根を目指す同志たちと一緒に、切磋琢磨していたのを思い出します。お盆もなく、当然正月もなく、朝練から夕練とほぼ毎日走り込み、走っているか勉強しているかの日々でした。
    そんな日々も1年ほどで終えることになるのですが、その当時から今もなお気になっている先輩がいました。その方が、今回東京パラリンピックのマラソン種目で道下選手のガイドランナーを務められていた志田 淳 氏(当時3年生)です。

    1年生の朝練は、暗黙の了解で全体集合時間よりも30分早く集合を求められ、先に走っておくことがならわしだったのですが、時にはその1年生よりも早く来て黙々と走っておられた姿が印象的でした。寡黙な先輩だったイメージがあり、お話したことも1回あるかないかだったと思います。
    陸上部をやめてトライアスロンに出会ってからもキャンパス内で練習される姿や箱根駅伝を走っておられる姿を見てかっこいいなぁと思い、どこか憧れの先輩でした。

    月日が経ち、再びお見かけしたのは、僕が福知山マラソンで4時間のペースランナーを務めていた時です。福知山マラソンが、視聴覚障害者ランナーにとって重要大会になっていて、そこで先輩がガイドランナーを務めておられたのをたまたま見かけた時でした。その後、数年お見かけしていたと思うのですが、1度もお声掛けすらできませんでした。

    このように一方的に思いを馳せていたわけですが、もしかして今回のパラリンピックにもガイドランナーで参加されているのではと思っていたところ、道下選手の金メダル獲得とともに映し出された写真を見て、さすがだなと感じ、安堵とともに誇らしく思いました。

    自分のためだけでなく、自分の力で他者を支えられる、それが自分の生きがいにもなる。
    やっぱかっこいい。
    先輩のようなガイドランナーにはなれないけれど、先輩のように他者を支え役立つ存在になれたらなぁと心からそう思います。

    ☆画像は、東海大学HPから拝借。